法人税の確定申告について

 

法人税の確定申告内容は、税務調査時に必ず確認の対象になることから、確定申告の際は十分な準備が必要になります。

■ 法人税の計算方法

    
法人税=(売上+その他の所得 -(損金算入費用+非課税所得+繰越欠損金))×20%


損金算入費用対象:
  • 会社の事業活動に関係がある費用であること
  • インボイスなどの証憑があること(電子も含む)
  • VAT込みで2000万ドン(約10万円)以上の取引は銀行証明等の非現金決済方法による支払い証憑があること

非課税所得:ベトナム国内法人からの配当所得のこと

繰越欠損金:課税所得がマイナスとなり税務上の欠損金が生じた場合、翌年から5年間が対象になります。

■ 納税・申告時期

課税年度は会計年度と同じで、課税年度末日から90日以内に年次確定申告および納税を行う必要があります。

  1. 四半期ごとに予定納税が必要になります。(申告は不要)
  2. 予定納税の合計金額が年次確定申告の80%に満たない場合、差額について延滞税が課税されます。
  3. 多くの企業が12月末を採用しています。管轄当局から事前の承認を得ることで、決算月を各四半期末(3月末、6月末、9月末)に変更が可能です。

■ 法人税法の優遇措置に関して

  1. 工業団地に入居する製造業は、2 年間の免税、その後 4 年間の 50%減税が適用されます。
  2. ソフトウェア開発を行うIT企業は 15 年間10%減税、かつ 4 年間免税、その後 9 年間 50%減税が適用されます。

*IT 企業の中には現地法人設立段階や事業規模が小さい段階には、ラボ型開発の形態で進出しているケースありますが、この場合は、法人ではないため優遇税制のメリットが享受できないです。

■ 注意事項

レッドインボイスなしで、商品サービスを購入した場合の費用、出張旅費規程や出張命令書がない出張費用、労働契約書のない給与や賞与・手当などの人件費は損金算入費用として計上することができません。

また、レッドインボイスが発行されている場合でも、会社名・税コード・会社住所などの情報が漏れなくベトナム語で記載されていることが求められます。

また、ゴルフ会員権、ゴルフプレー費用は、損金不算入費用として税務調査で指摘される可能性がございます。