ベトナムの給与明細、賃金テーブルに関して

 

賃金テーブルはなぜ必要か

ベトナムでは、雇用主は人材の募集や雇用契約における給与の交渉・支払いの根拠として、賃金テーブルを作成する義務付けられているからです。

賃金テーブルの制定は、昇(降)給の条件が客観的に判断ができるので、会社は人件費の予算が立てやすく、社員に評価の基準がわかりやすくモチベーションになる等があげられます。

ベトナム改正労働法の6章 第93条賃金テーブル、賃金表の作成及び労働基準の設定より

■ 賃金テーブル作成時の注意点

  • 賃金設定に関する基本原則は、賃金に関する労働法に乗っ取って作成する必要があります。
  • ベトナム政府は例年1月1日付で最低賃金を改定していましたが、新型コロナウイルスの影響で多くの企業の業績が悪化したことを考慮し、2020年の最低賃金を継続しています。政府、年内引き上げも検討しているようなので、こちらも注意していただきたい点になります。
  • 賃金体系における隣接するグレードの賃金差は労働者に自らの技術・専門的スキル・経験・能力の向上を促すようなものであることが求められ、少なくとも5%の開きがなければなりません。
  • 危険業務に従事する労働者はその危険度に応じて、政府の定める最低賃金より5%以上もしくは7%以上高くなければなりません。
  • 職業訓練を受けた労働者に対して、政府の定める最低賃金の7%以上高くなければなりません。したがって、最低賃金より少なくとも7%高く設定しなければならないと考えられます。
(参考:JETRO ビジネス短信 | 労働者の地域最低賃金に関する議定 No.90/2019/NĐ-CPの第5条

■ 作成/修正 のプロセス

  1. 雇用者は給与明細、賃金テーブルの調整と準備。給与ランクの基準、昇給の条件を作成します。
  2. 草の根労働組合執行委員会/労働組合執行委員会の意見聴取を行います。
  3. 許可された場合:
    給与明細、賃金テーブルを制定します。
    給与明細、賃金テーブルが有効になった後、雇用主は労働者に通知および公布します。
  4. 許可が下りなかった場合:
    草の根労働組合執行委員会/労働組合執行委員会の意見によって給与明細、賃金テーブルを調整します。
    雇用主は修正・補足Sを行い、再度、労働組合執行委員会の意見聴取を行います。

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